YORKSHINE ヘリ落としDC53 American-Style(フラット)
YORKSHINEヘリ落とし American-Style
このブランドも初めて聞く方も多いかもしれません。
やはり新しいLeathertoolを発見した時にはワクワクします。
この設計にどんな意図があるのか、鋼材は何だとか、切れ味はどうだとか…。
友人のつてで、この新たなブランドを紹介された時は、正直少し不安に思いました。
ただしサンプルを手にして、すぐにMIYAZOで扱えないかと願っておりました。
YORKSHINEは次々にレザークラフト業界に参入してくる若い道具屋たちの中で頭一つ抜けいると感じています。
もっと酷な(クールで美しい道具の意)を持ちたいというクラフターたちの意見を巧みに取り入れつつ、見た目だけではない自分の信念を貫く精神を持っています。
前置きが長くなりましたが…
MIYAZO店主はYORKSHINEに対する絶大な信頼から、この日本では無名ブランドのほとんどの商品(ラインナップ」を導入することを決定しました。
ただし道具は安くはありませんので、すべてのサイズを揃えて購入するにも決断がいります。
もちろんSINCEもJeymeも申し分がないです。
切れ味に関して…YORKSHINEは期待以上だと言えると思います。
おそらくこれは革道楽MIYAZOが多くのヘリ落としをテストしてきた経験からの感想ですが、とにかく切れる…と言うしかないのです。
(参照写真、MIYAZOインスタ、またビデオクリップを参照してくださいませ)
切れ味もさることながら、全体的に美しいです。
(写真からも推測していただくことができると思ってます)
その美しさに貢献しているのが持ち手の天然素材ウォールナットです。
この木材について次の書き込みを引用したいと思います。
「チーク、マホガニーと共に世界三大銘木のひとつに数えられるウォールナット。
紫色を帯びた深い暗褐色の美しい木目は世界的に評価が高く、高級材の代名詞となっています。…この材は、その美しさや品質の良さから、古くから家具やライフルの銃床など様々な用途で用いられてきました」
美しい理由がこの説明からも推測できます。
これはAmerican-typeで、刃先の底がフラットです。
再度強調してしまいましたが切れ味は…抜群です。
持ち方で刃先角度を変えることによって深くも入ります。
それでコバの落ち方にある程度の範囲があるのもうなづけると思います。
(例えば0号は1.0-1.5mm革厚対応でその差0.5mmですが、4号は3.5-5.0mm革厚対応なので、その差は1.5mmとなります)
MIYAZOの個人的な感想としては、SINCEのヘリ落としは、刃先から口金にかけて20度の角度が付いていますので、いささか立て気味でヘリを落としていきます。
YORKSHINEのフラットタイプは、もう少し寝かせるイメージのような気がします。
ただし切れ味は…やはり目を見張るものがあります。
刃の鋼材はDC53という材料です。
鋼材に詳しい方ならご存じかもしれません。
ちょっと調べてみれば、刃物の鋼材としては申し分ないということがわかるばすです。
ある有名なクラフターさんの動画を見てそれ以来参考にしていますが、縫い糸に青砥を擦りこんで(いわゆる青砥糸)で刃先を研ぐという方法です。
これも素晴らしい方法です。
謝辞:惜しげもなく裏技を教えてくださったり、動画にしてくださる先生方に心から感謝しております。
いずれにしても、こうした方法は刃先を無駄にすり減らすのを避けられます。
切れが鈍ったなぁと思ったら、すぐに厚紙砥、青砥糸を使って…刃先を整えることで、道具を長持ちさせられると思います。
鈍り過ぎた道具を研ぐことほどに疲れることはありませんからね。
0号は1.0-1.5mmの革厚
1号は1.2-2.0mmの革厚
2号は1.8-3.0mmの革厚
3号は2.5-4.0mmの革厚
4号は3.5-5.0mmの革厚ですが、今回は仕入れしておりません。
まだまだ無名のYORKSHINEですが、勇気と自信をもって仕入れてみました。
皆様のLeathertoolのラインナップに加わえていただければと思います。