Table Crane テーブルクレーン　MIYAZOオリジナル

レザクラのクレーン(crane)なんて聞いたことがないかもしれません。
クレーンとは本来、人の力では持ち上げられない物を吊り上げる装置として発展した機械です。そして吊り上げるだけでなく、移動させる機能も付加されるようになった重機のことです。
実はクレーンとは「鶴」のことで、首の長い鳥が首を伸ばした形に似ることからその名がついたと言われています。
実に興味深いと思われるかもしれません。

さてレザクラにクレーンが必要なのでしょうか?
レザクラは糸の両端に針を通して、両手で８の字を描くように縫っていきます。
革は膝で挟むか、ポニーに挟むかして両手が自由に使うるようにするとスムーズに縫い進められます。
小物ならそれでいいのです。

ただし鞄とか大物を作るとなると話は別です。
たとえ膝に挟んで固定したとしても、とにかく縫いずらいのです。
テーブルの上に置いて、左右に倒しながらパタパタと縫うことができますが面倒です。
作業効率が悪すぎますし、革にひっかき傷が付くことも多々あります。
縫い目も乱れ易いです。

それで少し大きめの鞄を作るようになると何かいい便利な方法がないかと考えるようになるわけです。

MIYAZOの場合は、まずアシスタントの妻に持ってもらいました。
これなら左右に倒す必要がありませんが、家内は不完全な人ですので…すぐに疲れます。
何分も持っていることができないのです。

そうであるならクリップを使って吊り下げる方法が良さそうであることはすぐにわかりますが、
どこから吊り下げるのでしょうか?

色々な方法を試しました。
例えばスタンド式のフロアライトのジャバラ部分にぶら下げてみたり、部屋干し用の物干し竿に吊るしたりしました。
どれも位置決めに問題があります。

もしかしたら理想は天井からかもしれません。
作業台のちょうどいい部分の真上にカーテーンレールとか付けて動かせるようにするとか。
おそらくそのようにお部屋そのものを改造しているレザクラの方もいらっしゃると思います。
お仕事で尚且つ工房があれば、そのシステムは素晴らしいと思います。

前置きはこれくらいにして…Table crane テーブルクレーンについてご紹介したいと思います。
テーブルポニーと同じで、テーブルにクランプで挟んで固定できます。
テーブルの鍔(ツバ)が38mm以上あれば確実に固定できます。
固定部位の奥行きは44mmですので、理想は44mm以上です。
※MIYAZOの作業台の鍔は47mmなので丁度いいです。

2段になっているクレーンのアームを最大に伸ばすと820mmです。
MIYAZOの作業台は800mmなので、高さは1600mmになります。
椅子に座り縫い易い手元の高さは800mm程度なのです。
もちろん設置場所によって個人差はあると思いますが、これならかなり大きい鞄を作ることも可能かもしれません。
アームは2本になっているので土台からの第一のアームは垂直に近い方が、荷重に耐えられると思います。
あるいは"くの字型"にアームを調整するのもありだと思います。
色々な方法を試していただきたく思います。
現在大きめのカバンの発注を受けていないので製作過程の写真がないのですが、480gの革を吊り座げてみました。なんの問題もなく吊り下がります。
もしアームがスルスルと落ちてくるようならアーム固定のノブスターをしっかり締めてくださいませ。
吊り下げるだけですと、やはり不安定ですので、膝で挟むことになると思います。
おそらく1Kg以上の鞄を作ることはないかもしれませんが、テーブルクレーンを使うことによって、膝で挟んだ革を垂直状態に保つことが目的であることを覚えていただきたく思います。

説明文がまだまだ不足しているかと思いますが、鞄作りや他の作業にも使えそうです。
ライトをぶらさげて手元をより明るくするのにも便利だと思います。

発送ですが、段ボール包んでの発送か、スーパーで調達した箱を改造してお送りしたいと思っています。
ただ単体ならどんなに小さくしても80サイズのゆうパックです。
付属品はS字フックとクリップです。
※クリップに当て革はしてありません。
レザクラの皆さんなら簡単にできると思い省きました。
写真を参考にしていただいて構いませんが、MIYAZOは78mm*44mmの革をクリップのそれぞれの口に縫い付けています。
MIYAZOは先に胴体に持ち手を付けてからマチを取り付けることが多いので、S字フックを準備しました。
※S字フックはセリアで調達しました。黒と灰色がありますがどちらのお色になるかはお楽しみこに。

限定数ですし、あまり販売されていないテーブルクレーンだと思います。
全てMIYAZOが点検補修と塗装仕上げしていますので、少しづつ出していきます。