新型仮止めピン(第3世代) 12mm/18mm 5個セット 再入荷
仮止めピン…地味に便利な工具
今回より三代目になりました。
この仮止めピン見つけた時に、ちょっと嬉しくなりました。
例えば、バックの持ち手を取り付ける時や…差し込みのベルトとか、ファスナー仮止めの時とか…いろいろな作業の途中で位置がずれることがあります。これはかなりのストレスになりました。
それでMIYAZOなりにいろいろ試行錯誤しました。
まずは、仮止め位置に縫い針を刺したまま作業することにしました。
容易に想像できると思いますが、針の先端が剥き出しなので…手のあちこちにチクチク刺さるわけです。
針が刺さるって地味に痛いのです。おまけに流血で革に血が付いたら…もう終わりです。
次に余った短めの糸で、ふた目ほど仮縫いするという方法を試しました。
仮縫いとはいっても以外に面倒ですし、作業の途中で糸が緩んだりして、仮止めの意味なしということがありました。
特に鞄の持ち手の仮止めの時には、短めの糸で仮縫いすることすら時間がかかります。
次に、ペーパークリップをペンチで切って挟む方法を思いつきました。
これはいい方法だと思います。試してみてください。
ただしクリップの針金がまぁまぁ太いので、革の穴が大きく広がり、縫い終わりの糸目が揃わない、また縫っている最中に、ペンチの切り口で革に傷がついてしまって、その商品が傷ものになることもありました。
当然作り直ししましたが…。
これらの方法を使いながら、試行錯誤しておりましたので、この仮止めピン見つけた時の気持ちを理解していただけると思います。
しかし、実は最初の使い心地はあまりよくなかったのです。かなり焦りました。
なぜなら、仮止め位置にピンを固定するのはいいのですが、ピンを外しずらい。
かなり四苦八苦して、外れたと思ったら、ピンが根元から折れてしまうありさまでした。
実は仕様説明欄には、ピンは「半田で固定されているので、左右に力を入れないください」というくだりがありました。
この程度の強度だと「替え針があるならともかく、ちょっと人にはお勧めできないなぁ」と感じておりました。
でもこうした新しい道具を手にする場合はそういうことがあるかもしれません。
例えば、火打ち作りの革包丁 「青紙2号」をサイズ違いで5本、オーダーで作ってもらったことがあります。納品されて最初の感想は…まったく切れない。
これは間違った買い物をしてしまったと…その道70年の鍛冶屋に親父に文句を言いましたら、素人は切れない切れないと文句を言うが、鍛冶屋は刃物を作る、研ぐのはそれを使う職人だと。
先日インスタのページからありがたいメールをいただきまして、なるほどなぁと思いましたので転記いたします。
「鉋は9分仕立てと言って90%完成の状態で売ってあります。残りの10%は使う人それぞれの好みに合わせて台を作っていきます。道具は使う人が自分に合わせる事で初めて機能しますね。」
そして次のような追加コメントもいただきました。
大工の見習いで入った時に「何ですぐ使えるようにして売らんのやろ」と不思議で仕方がなかったです。
そもそも下手すぎて残りの10%が仕立てられないんですから(笑)
革工芸手縫いの真髄という本の一文にも「包丁は買ったばかりの新品でも、そのままでは使えません…研ぎに熱心に取り組んで、そのコツを覚えた人のその後の進歩は、目を見はるほどです。研ぐことが苦痛ではなく、楽しみになったくらいなら本物です」という感動敵な一文があります。
確かにこれが伝統的な日本の道具屋とそれを使う職人の考え方だと思います。
単なる仮止めピンの話なのに、ここまで広げる必要はなかったですね。
要は使い慣れていない道具を手にする時には、まず使い方を学ぶ必要があるということです。
もちろん仮止めピンの場合は、構造的に針が折れるというのはどうかと思っていました。
そのことについて問い合わせてみたところ、針ピンのヘッドがシルバーのものは半田付けタイプですが、針ピンがゴールドのものは新しい構造なので、根元の強度が格段に上がったという回答をいただきました
(比較写真で確認できます)
胴体の直径も変更して、バネの強度を調整としたとも書いてありました。
試しに分解してみましたら、つまみ部分の内部は、二つのスチールボールで針を挟む構造なのです。
つまり基本的な動作としては、お尻のつまみを引っ張り内部のバネロックを解除して、針ピンを引き抜くということかと思います。
仮止めピンの構造からすると…
仮止めする時の基本動作は、本体のヘッドを引いてロックを解除した状態でピンを差し込んでください。
仮止めピンを引き抜き場合には、ピンの広い部分(真ん中)を押しつつ、指の腹でヘッド(上部可動部分)を摘まんで引き抜くといった感じになると思います。
つまり革とつまみの間には隙間(遊び)が必要です。
これは必須です。
遊びが少しでもあるなら、ピンを押し込んで簡単にロックを解除できるからです。
もし仮止めした時にかなりきつく締めてしまった場合はどうすればいいでしょうか?
つまり革と仮止めピン本体との隙間が全くない場合です。
大丈夫です。安心してくださいませ。
もしかなりきつく締まってしまったとしても、針側のピンの穴に棒のようなものを差し込み、つまみを強く引き抜いみてください。
(棒を差し込む理由はピンをしっかり支えるためです)
それでも外れないなら、ヘッドをペンチなどで挟んで引き抜くことをお勧めします。
ヘッドをペンチで挟んでバネのロックを解除する時には、カチッと音がすると思います。
(仮止めピンをきつく締めたい方は、作品本体保護のために両面に当て革してください)
上記の方法をご提案させていただいておりましたが、やはり力技であることに変わりはありません。
女性クラフターの奇麗な指を傷付けてはいけませんので、別の方法を思い付きました。
これまで仮止めピンの構造上、革とつまみの間には隙間(遊び)が必要と説明しておりました。
これは正しいことです。
しかし遊びを作りたくないクラフターも一定数おられるようです。
そこで、縫い糸を使うやり方をご提案いたします。
詳しくは革道具MIYAZOインスタにあるビデオクリップか、下記のYouTube動画を参照してみてくださいませ。
新型仮止めピンのポイントだとも思いますが…
ピンの強度が上がりましたので、回しながら引くこともできますが…過信は禁物です。
(注意:シルバータイプのピンをお使いの場合は、この動作は厳禁てす)
ただ文章だと難しいですね。
これがこの道具の構造で的な特徴で、バネの力が弱すぎても、強すぎても、使用感には不満が残ることになります。時に指がはさまってちょっと痛いですが…
このことを理解すれば、もっと上手に使いこなせるのではと思っております。
使い始めにピンの外し方かわからないと、焦ってせっかくピンを壊すことにもなりますが、
MIYAZOのお客様に対しては、針の強度という問題をクリアした新しい世代のみを提供いたします。
また、つまみ部分も直径が6.5mmに変更になってます。
簡単な見分け方は、旧タイプはシルバー、新タイプはゴールドです。
人によってはつまみの直径が以前の5.0mmが好みの方もいらっしゃるので、旧タイプをお持ちの方でも針のみ変更することもできますね。
いずれにしても、仮止めピンを作品に使用する前に、はぎれ等を使い練習することをお勧めします。
せっかくのMIYAZOselecttoolですので、使いこなしていただけたら嬉しく思います。
針の長さは2種類あります。12mmと18mmです。
12mmは1-5mmの革の厚みに対して、18mmは5-12mmに対応しております。
革の厚みにより、サイズをお選びください。
5個セットです。
また以前のタイプはつまみ部分の直径変更されてはいますが、針の径0.6mmで旧新タイプともは変化してません。
もしかしたら、予備や針のみ必要という方のために、替え針も準備しました。
もちろん12mmと18mmのどちらの針でも胴体は共通です。
用途に合わせて使用できる思います。
最初ピンの外し方がわからず、焦って針の根元が折れて、宝の持ち腐れになった方への朗報かもしれません。
すべての仮止めピンの抜き差しをチャックして発送しておりますが、個体差があります。
固めのものと緩めのものがありますが、針が全く固定されないという場合でない限り、交換はできませんのでご了承くださいませ。
また自分で分解して、内部のスチールボールを紛失された場合も、交換はできませんので、
私のように構造を理解したい方は自己責任でお願いします。
「大は小を兼ねる」ということわざもありますので、18mmのピンのみを予備で持つこともお勧めします。
難易度が上がるかもしれませんが、厚みのあるはぎれをピンに刺して長さを調整できるかもしれません。
(写真を参照くださいませ)
MIYAZOも試してみたいと思います。
8/15入荷分より、三代目になります。
写真を参考になさってみてくださいまませ。
お尻部の直径が気持ち大きくなりました。
5.0mm→6.4mm→7.4mmに変更になり、掴みやすさが向上しております。微妙な改善です…2代目も初上陸でしたが、3代目も初上陸ではないかと。
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