ホットスタンプ位置決め用テープ
ホットスタンプ位置決め用テープ
これはマニアックなテープだと思います。
ホットスタンプ(箔押し機)で、尚且つオリジナルの刻印をお使いの方のみを対象にしているからです。
まさしくオタクMIYAZOの探し当てた位置きめの決定版だと思います。
ですからウンチクを語らずにはいられません。
それにしても刻印の位置きめほど神経を使う作業はないと思います。
通常ヌメ革の場合、作品(革の上)に刻印を置いて、刻印の上から力を加える方法を使うかと思います。
その際ハンマーで叩く方法もあれば、万力やプレス機を使って上から圧力を加えるという方法です。
これなら作品の上にまず刻印を置きますので、位置がずれる心配はまずありません。
※ただしいずれの場合もずれる時は、ずれることもあるかもしれません。
特にハンマーで叩く方法で何度も失敗したことがあります。
ホットプレスで箔押しする時のことを考えると、刻印は上から降りてきます。
だからこそ位置決めが難しいと思います。
しかも革の上に箔押しテープを置く必要があります。
大きめの箔押しテープを使うのはこの位置ぎめが難しい証拠ではないでしょうか?
例えば10mm幅の刻印に40mm幅の箔押しテープなら安心です。
ただし余分の30mm幅が無駄になります。
せめて10mm幅の刻印なら15mm幅の箔押しテープなら無駄も少なくなります。
通常はどのように箔を押したい場所に位置を決めるのでしょうか?
色々な方法がありますが、それぞれのメーカーの説明はどれも「簡単です」と書いてあります。
なぜなら付属の赤外線のラインがありますとか、土台にメモリが付いてますとか、定規を使うといいとか…確かにどれもいい方法です。
ただしバイヤーが説明するのと、実際に作業した人が説明するのとでは大きな違いがあるのではないでしょうか?
しかも上記の方法は一点モノには不向きだと感じています。
少しの失敗も許されないからです。
それで一点モノの場合、多くのレザクラをする人はどこに箔押しするか設計に含まれているかもしれません。おそらくパーツの段階で箔押しするかもしれません。
※パーツの部分で箔押しのミスがあれば、その革を取り替えるだけですので被害は最小限に防げます。
オタクMIYAZOはカスタムハンドプレスに箔押し機能を搭載し、2D赤外線を装着、そしてオリジナルのメモリ付き引き出し土台とオリジナル位置きめ定規をも製作しました。
これはプレス機ハンドルの稼働範囲を出来るだけ小さくするためです。
これで作業効率が上がります。
また土台を手前に引き出してセッティング出来るので火傷の心配もありません。
メモリ付きの引き出し式土台をオリジナルで作ったのはこのためなのです。
※写真を参考にしてみてくださいませ
※カスタムハンドプレスの土台にもメモリが付いており位置決めの参考程度にはなります。
これで量産品の位置ずれはほぼ解消しました。
それでも一点ものの場合には、完成してから箔押し位置を決めたくなることもあります。
それでもっと簡単に「わたし失敗しないので」方法を探しており、ダメもとで試したのがこれ、ホットスタンプ専用位置決め耐熱テープ。
使い方は簡単です。
1)作品の押したい位置に刻印を置きます。
2)刻印の上にその大きさに切り取った位置決めテープを置きます。
※白い方が刻印側です。
3)ホットスタンプの温度が100度になったら、レバーを押し下げて刻印をホットスタンプに接着させます。
4)刻印が箔押し機に接着されたなら、今度は箔押しテープを革の上に置きます。
ホットスタンプに貼り付けた刻印に温度が伝わるまでに少しの時間がかかりますので、
一呼吸置きます。
5)そして…押します。MIYAZOの場合は100度1秒以内です。
刻印の外し方について
位置きめテープを使って貼り付けるとかなり強烈に張り付きます。
特に時間が経って温度が冷えてくるとガッチリ固まります。
メーカーの提案は220度まで温度を上げると簡単に取れるということでした。
試したところ確かにカリカリになって簡単に取れました。
ただしそれまで待ちたくありませんし、220度なんて火傷の元ですので箔押し後すぐにペンチで外します。
残ったテープの残骸は剥離専用にしている包丁で削ぎ落とします。
これなら割と簡単にテープの残骸が取れますが、まだネバネバしている状態です。
今回は約150mm*100mmの大きさに切ってあります。
そして、くるくると丸まらないように平にしてあります。
※MIYAZOがテスト購入したテープは丸まっていました。
訳あり品はカットする時にテープの表面に大きな傷が付いてしまった物です。
ただし使用に何の問題もありません。
それで少しのオマケハギレテープを余計に付けてあります。
マニアックなツールですが、オタクならではのアイテムです。
自信を持って位置決めに悩む方々に推薦できます。