ステッチングポニー桜 (Cherry wood) 2wey
ステッチングポニー桜 (Cherry wood) 2wey
2023/3/20レバー式を追加しました。
カタカナ表記ですと「レーシングポニー」「ステッチングツリー」「ステッチングクランプ」 「ソーイングホース」などなどの呼び方があるようです。
日本語では「木ばさみ」とも呼ぶそうですが…どれも用途は同じです。
つまり手縫いの時に革をはさむ道具です。
手縫いをする時には針を二本使って縫うことがほとんどではないでしょうか?
つまり両手が塞がれてしまいますので、テーブルの上に載せて作業するか、膝に挟んで縫うことになると思います。
単にテーブルの上に載せて作業するとなると、革を裏返すことを繰り返すことになります。
何百回もひっくり返して触ることにより、どんなに気を付けても汚れや傷が付いたりすることがあるかもしれません。
小物製作であっても前かがみの状態で膝で挟んで縫う作業を楽しんだ数日後に…
身体がバッキバキに凝っているということがありました。
レザクラの人の多くはそういう経験がおありではないでしょうか?
猫背の作業はとにかく疲れます。
MIYAZOはいろいろなLeathertoolを扱っておりますが、レザクラは切ったり貼ったり叩いたりする工程より、縫う時間が何十倍も長いと思います。
また猫背作業は手元が見えにくいと、縫い目が乱れたり縫い進める時間もかかりロスになります。
とはいっても単に革を挟む道具ですので、多くの方はDIYで作っておられると思います。
MIYAZOも同じでした。
構造は比較的簡単だと思います。
革を二枚の板で挟めればなんでもいいのです。
簡単に太目の輪ゴムで二枚の板を固定することもできますし、ボルトを通してつまみで固定する方法もあります。
これから自前で「木ばさみ」「ステッチングポニー」を作られるなら、以下の点に注意して設計してみてはいかがでしょうか?
※MIYAZOの単なる考えですので、皆様に当てはまるわけではありません。
木材の角は、全体的に丸く削って角を落としておくといいと思います。
ホームセンターでは木材の角がすで落ちているものが売っています。
これらの木材ならどれも比較的柔らかいので加工しやすいと思います。
知らず知らずのうちに木材の角に革が触れたり当たったりして、銀面が擦れたり余計な跡が付かないように配慮できます
革を挟む部分の精度については言うまでもありません。
歯切れなどで当て革をして挟んだ時に跡がつかないようにする必要があります。
力が均等に加われば小さい力でもしっかり固定できますので。
いずれにせよ革を挟んで固定する時、糸がボルトやつまみなどに絡まない設計がいいと思います。
この点はMIYAZOも苦労しました。
手縫いの糸の長さは縫いたい距離に対してだいたい4倍だと思います。
もちろん縫い穴の中で糸同士が咬まないようにしますが、思いっきり糸を引いて締めた時に、つまみに引っかかって絡まったり、それが原因でだまになったり、力の入った部分が弱くなって途中で切れることもあります。
糸がポニーに絡まない構造がいいと思います。
※市販されてはいてもこの点が全く考慮されていないと思われるポニーが多いです。
レザクラの人の設計ではないのではと思ってしまいます。
摘まみ式ノブ(ノブスターとも呼ばれるのは形が星形だからかもれしません)もレバーを下に押し下げて固定する方式でも同じで糸が絡みやすい形状ですので、この点を考慮した仕組みを設計に取り入れてください。
それでつまみやレバーを何かで覆ったり、他の方法で糸の絡みを回避できる仕組みにしてもいいかもしれません。
また、使う前にポニーの先端が開いている設計のポニーなら、糸の絡みを避ける方法として輪っかにした革を下に押下げてポニーの先端を締める方法もあります。
使う前にポニーの先端が締まっている構造なら、専用の木材でポニーを広げて革を当てたら木材を外すという方法もいいと思いますが、固い木材を使う必要があるかもしれません。
ある意味でどちらも無理やり先端の幅を縮めたり広げたりする方法で力が必要かもしれません。
ただし木材にもある程度の弾力性がありますの折れることはないと思います。
形状ですが、小さめの卓上型にしたり、オーソドックスな座面の下に置いて跨るような設計もいいと思います。
実にいろんな形のものがあるのでネットでいろいろな方式を調べてみてください。
また憧れエルメスの職人が使うブランチャード方式のポニーは床に置いて使う大型のものです。
恐らく長さは1mくらいあるかもしれません。
構造は簡単だと思いますが、円弧を描くように木材の加工をするのは大変なかもしれません。
使ったことがないのでどのように革を固定するかはわかりませんが、垂直に立てるというより斜めにして使っている動画があります。
見た感じ60度程度ポニーを倒しているようなので、ポニーの自重と内腿を使って革を固定しているのかもしれません。
すでにご覧になったことがあるかもしれませんが、レザクラの人なら見る価値があると思いますのでリンクを貼っておきます。
他にもいろいろ設計するための方法があると思います。
DIYで作ったポニーは愛着が沸くこと間違いなしです。
MIYAZO自作のポニーは、使いやすいもののDIYでしたので人様お見せできるものではありません。
もちろん愛着もありますし絶えず改造を繰り返しておりました。
不格好でした。
前は狭い部屋での使用でしたので折りたたみ式で見えないところにしまっておりました。
一番長い時間使うツールなのにLeathertoolの中てポニーだけが存在感なし。
次に作ったのは高さ80cmほどのステッチングポニー。
床に立てる方式で随分重宝しました。
それでもある意味…大きくて邪魔な存在のような扱いでした。
それで前々からインテリアとしても気持ちを高揚させるようなポニー、
存在感のあるステッチングポニーが欲しいと思っていました。
こうなるとDIYの領域ではないと思いまして…。
作業スペースも広がったということで、
今回MIYAZO厳選のステッチングポニーの一つがこれです。
まずはサイズ紹介
全体の高さ500mm幅73mmクランプ部73mm
高さは前回より50mm高くなってます。
底板長さ450mm幅90mm高さ20mm
特製スターノブ(直径50mm)埋め込み式なので糸が絡まないのが特徴
反対側も美しい仕方でポニーに埋め込んであります。
先端は最大26mm程度開きます。
ポニーの開閉はつまみの力で無理やり開くという方式ではありません。
それでノブを回す時に力は入りません。
また限界まで回し過ぎで外れることもありません。
ボルトにバネが付いていることも大きな特徴です。
今回新たにレバー式を仕入れしてみました。
レバー式の利点はスバリ・・・回す必要がない。
つまりワンタッチで挟めるということです。
同じ厚みをいつも使うのであれば時間短縮になります。
厚みが違う場合でもネジを緩めるようにレバを回せば調整できます。
さらにレバーを押し下げた時に先端がポニーの側面に沈み込むので
糸が絡む心配はないと思います。
※写真をご覧くださいませ。
また両側に磁石が埋め込んでありますので、針休めに使えます。
材料 縦の本体部分はチェリーウッド(桜材)
日本人にとって桜は心の花かもしれませんが、木材としても古くから家具や建材などさまざまな用途に用いられているようです。
チェリーウッドの木目はどれも個性的美しいです。
色の変化も期待できると言われています。
底材はケヤキです。
お尻の下に敷いても違和感なく作業できる大きさと柔らかさがあります。
またポニー横にしてテーブルの上に置いても作業できると思います。
先端の精度が高いので立てても横にしても使えます。
いずれにしても、合板では味わえないこうした無垢の木材のツールは存在感があります。
家具のようま佇まいでありながら家具ではないので、少しのかすり傷などが見られます。
※MIYAZOが気が付いた範囲で修正しております。
あくまで道具というメーカーの設計思考が反映されています。
これはこれで仕方ないかなぁと思います。
今回はレザクラ人のニーズに合わせて折り畳み式でも直立固定式でもお使いになれます。
まず自分でDIYで試作してみて、その方法を工場と交渉して実現しました。
折り畳み式の場合は付属の短いボルトで固定、
直立固定式の場合は付属の長めのボルトと蝶ネジで固定できます。
ネジを交換するだけで簡単に調整できます。
※動画を作成しましたので参考にしてみてください。
ステッチングポニーとは、手縫いをするときに革を保持する道具です。
自前で作ればかなり安上りです。
言えることは革をステッチングポニーに挟んで固定することで楽に手縫いができるようになります。
今回は限定3台のみ入荷しております。
発送はゆうパックで地域によって送料が異なります。
本体はプチプチで丁寧に梱包して巻き段ボールに入れての発送です。
古今の為替の影響により仕入れや輸送費が毎日加算されていくことが頭の痛い所です。
次回の入荷にも影響すると思います。